厭世メモ

メンヘラフリーターの気になることメモ帳

アウトレット探検記①

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先日、交流の意味も込めて母娘で近場のアウトレットに行った。平日で、さらに雨だったこともありひとはまばら。私は、自分で招いたということを棚に上げ、入院生活頑張ったしなどと理由をつくり散財の機会とした。
最初は狙いも「iPadが入るバッグ」だけと決めていた。今まで使っていたトートも24歳のお姉さんとしてはチープだし、フルーラのバッグはデート用にはもってこいだが、普段使うには物が入らなかった。

アウトレットには普段より1ランク高いブランドも揃っており、私が好きなお店もいくつか入っていた。隣の母は明らかに一枚多くテンションを作り上げ、一月前に自殺未遂した娘との買い物を楽しもうとしているが、そんなに気張らなくてもいいんじゃないか。
私は黙って歩いた。

まず、最初に入ったのはマークバイマークジェイコブスだ。この時点では、私のアンテナもまだiPadの入るバッグの電波のみを拾おうと、毅然とした態度でいたと思う。
普段より安くなっている服やカバン、時計はそれでも色とりどり美しく、個々に主張し合いながらも協奏が美しい。閉鎖病棟を出て以来、濁った水のように沈殿物を混ぜていた私の心も少し透き通った。
マークジェイコブスには、あの有名なトートを探しに入ったのだがなかった。代わりにカラフルでふわふわとしたキルティング?のカバンがあったが、あまりビビビとこなかった。他には、エコバッグのような商品もあったが、もちろん今回は違うとすぐ切り替える。

ふと見ると、中央にガラスケースが合った。
そうだ、私は時計も探していた。
一つ前に使っていたAVOCAの時計は美青年で重度鬱病の元彼氏からプレゼントされたものだ。嬉しくて毎日使っていたが、今となってはそれもゴミだ。ついこの間まで大切に身につけていた宝物は、見るたびに彼を思い出し愛しくなりほころんでいたが、退院してから目をやると全く心を動かすことがない。
辛いなあ、嫌だなあとさえ思わず捨てることも面倒になり今はアクセサリー入れにペアリングとともにほったらかしてある。

そんな事情があり、私は新しい時計を探していた。
もともとこのブランドのファンという事もあり、パチパチと興奮が生まれるのを胸に感じながらガラスケースを覗いた。